検索窓
今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:24,139 hit

六十 ページ10

体中に響く鈍痛に目を覚ますといくつもの赤い目が私を食うような目で見ていた。


「悪魔ノ子‼悪魔ノ子‼」


「コンナ子産ムンジャナカッタ‼」


「ハ誰カラモ必要トサレナイ哀レナ子供今恨ミヲ晴ラシテヤル!!」


やっぱり間違っていた。


「……ごめんね」


牙を向く両親に私は精一杯笑いかけた。

私にはとっても優しい、家族に見えてしまう。

笑顔のように見えてしまう。

目を閉じてしまおうとしたその時、


「ギャアア‼」


断末魔と同時に両親が土となり崩れていった。


「A‼」


その声に私は我に返った。

他の妖怪も土となり、崩れていく。

地面に落ちて私は体を起こした。


「少し遅れた」


オロチは足元に落ちていた私のポーチを拾い上げた。


「良かった」


体中の痛みを我慢して立ち上がった。


「ママ、パパ……」


地面に撒かれた砂はもう跡形もない。


「ただの土人形だ……」


ふと顔をあげると、両親のお墓の上に機嫌良さそうにあぐらをかいて座っている人物と目があった。


「やはり貴様らは面白いな‼いつまでそんなことを続ける⁉あっはは‼」


オロチは地面を蹴って、物凄い速さで赤い目に殴り掛かる。


「くそ……っっ」


「すり抜けた?」


オロチの拳は赤い目をすり抜け、墓石を粉砕した。


「そんな柔なものでは私を倒せんぞ?」


赤い目はにやりと笑う。


「相当仲良くなったと見えるが何故だ不幸の子よ。何故都合の良い子など言われる?心当たりがあるだろう?実におかしなことだと思うだろう?殺された相手を恨まないなどありえないだろう‼本当は思っているのだろう。何故認めない‼」


「うるさい‼」


耳を塞いでも頭の中でぐるぐると巡る。


「余計なことを吹き込むな‼」


「余計なことではないだろう?それに貴様のことを小娘に教えていないだけマシだろう?今回も楽しませてもらうぞ。今回のミッションを達成すれば1つだけ、呪いを解いてやる。せいぜい楽しむといい」


風が吹いて、顔をあげると赤い目はそこにはいなかった。


「体は大丈夫か」


頷くとオロチは持ってたポーチを私に渡した。


「ミッションを達成すれば呪いを1つ解くと言っていた。だが保証はできないな」


「……とりあえずここを出ようよ」


私とオロチは洞窟から出るべく、外へ続く道へ向かった。

外は青空が広がっていた。


「どこに向かえば……」


すると草原の中から真っ直ぐ物凄い勢いで近づいてくるのが見えた。

六十一→←五十九



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。