七十三 ページ23
「ん」
オロチは髪をかきあげ、龍のマフラーを引っ張った。
「なっっ、見せてなんて言ってないのに見せないでよね馬鹿……っ」
私はオロチを押しのけ部屋に入った。
「……わがままな奴だな」
と言ってオロチはなにか拾う動作をした。
受け取ったものは人形の目だった。
「人形洗わなきゃ……」
机に置かれた人形を抱いてお風呂場へ移動した。
洗い終わると人形は前と比べだいぶ綺麗になった。
そのまま日の当たる縁側の隅っこに座らせた。
「どうした」
ぼんやり人形を見つめているとオロチが話しかけてきた。
「私これからどうしたらいいのかな。ママとパパは怒っちゃうかな……」
「どうすればいいか等簡単なことだ。幸せになればいい。両親がお前のことを今までどのように接してきてどれだけ大切にしてきたか分かっているのだろう。ならば尚更幸せになれ」
オロチは髪をくしゃくしゃに撫でた。
「……うん」
「それと、今の親代わりにもきちんと向き合わないとな」
オロチはそう言って今度はぽんぽんと頭を撫でる。
「んー、撫ですぎ……」
小っ恥ずかしくて私はオロチの手を払った。
「顔が赤いぞ。熱でもあるのか」
「なんもないってば。見ないで」
私は逃げるように部屋に戻った。
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時