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七十 ページ20

「本当に祓えたのかな」


オロチに引っ張り上げられ立ち上がった。


「こうして触れることができるのだから祓えたのだろう」


「ぁ、そっか……アザは……なくなってるのかな」


そう言ったとき、突然地面が揺れた。


「……直に目を覚ますだろう」


「……うん」


私とオロチは崩れる鉱山に埋もれ、飲み込まれていった。

むんむんとした暑さに目を覚ました。

もそもそと体を起こすと時計を確認した。


「12時。……お昼の」


大きなあくびをして目を擦った。


「……朝か」


オロチが険しい顔をして目を覚ました。


「……お昼」


オロチを飛び越えてベッドから降りた。

鏡の前に立って顔を近づけた。

前髪をあげようにも躊躇してしまう。

オロチは私の背後に立って両手で私の前髪をかきあげた。


「あっ、やだ……」


反射的に自分の手でおでこを隠した。

恐る恐る手をどかしてみる。


「……ない。……ない?」


一応オロチに確認を求める。

鏡越しにオロチは深く頷いて見せた。


「……そっか」


なんとなく心がすっと軽くなった気がした。


「……でもママとパパはもう、帰って来ないんだよね」


私は枕を抱いてベッドに座った。


「私いっぱい酷いことしちゃった。いっぱい逃げちゃった……」


「……仕方ない。Aにはまだ内容が酷すぎる。何度も言うがAは人間らしい感情をもっていただけだ。もし間違えば私が問答無用で殴る」


真顔でそんなことを言うオロチが少しおかしい。


「……疲れちゃった」


「当たり前だ。今日はゆっくりしているといい」


そう言ってオロチは私をベッドへ寝かせた。


「ねぇ、なんでそんな凝視するの……どっか行って」


私の顔を凝視するオロチにクッションで殴りつけた。


「……あ、洗濯物干さなきゃ」


昨晩洗濯機を回したことを思い出し体を起こそうとするとオロチが肩を押さえた。


「私が代わりに干してきてやる」


有無も言わさずオロチは部屋を出ていってしまった。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時

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