五十二 ページ2
田舎での暮らしが１週間続き、あれ以降なにか変わることはなく、私たちは帰りの電車に乗っていた。
おじさんは疲れ切って眠ってしまった。
私もなんだか凄く眠い。
うとうととしつつ窓の外を眺めていた。
家に着いたのは夕方だった。
部屋に戻ると私はベッドに倒れ込んだ。
「……A」
オロチはなにか言いたげな表情をした。
「……眠いだけ。いろいろ疲れた」
深くため息をついた。
オロチは私の近くに腰をかけ、浅いため息をついた。
「リュック位おろせ」
オロチはリュックを掴んで持ち上げた。
腕を抜いてぽてりとまたベッドに倒れる。
「……こんなもの持ってきていたのか」
オロチはリュックを弄ると中からあの人形を取り出した。
「なんか……手放せなかった……。別に置き場所無いわけじゃないし……とりあえず洗わないと」
大あくびをして体を起こすと、オロチから人形を受け取った。
「なにか落ちたぞ」
ころころと転がりオロチの足元で止まった。
「……ぁ、目取れちゃった」
オロチの手のひらには紫色のプラスチックの目があった。
人形の左目部分には縫い付けてあった糸がぴろんと出ていた。
「明日洗ったらつけるから、机に置いといて」
机に人形を置いて、その足元に目を置いてもらった。
「Aちゃんご飯食べよー」
１階からおじさんが声を張り上げた。
「……オロチも来るの？」
部屋を出ようとするとオロチがすぐ後ろに居たので扉を広く開けてあげた。
「急用ができた。すぐ戻る」
オロチは煙を巻き、姿を消してしまった。
「……忍者みたい」
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アミュレット - 今日も良かったです！ (2017年5月18日 20時) (
レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね！焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています！ (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年5月5日 18時
