九十一 ページ41
買い物が終わり、駅へ歩いていると向かいから3人家族が来た。
ちいさな女の子は両手にパパとママの手を握ってなにやら楽しそうに話している。
その姿が昔の私と重なった。
私は歩みを止め、その家族が通り過ぎるまで呆然と立っていた。
イナホさんが私が止まったことに気づき、こちらへ戻ってきた。
「……ちょっとそこの公園で休もっか」
イナホさんに連れられ、近くの公園へやってきた。
ベンチに座ってふうっとため息をつく。
「いや〜今日はAさんが居てくれて助かったよ〜。私だけじゃよくわかんなくて……Aさん?」
「……うん」
完全に上の空でいい加減に相槌を打っていた。
オロチに激しく肩を揺さぶられ、ようやく我に返った。
「ぁ……ごめんなさい……。それで、なんだっけ……」
「……実はAさんの素性を聞いたわけですよ」
その場から離れていこうとするオロチの腕を掴んで私は威圧的な目でオロチを見た。
「あっ、と言っても詳しくは聞いた訳ではなくて‼……その、Aさんのご両親の事とクラスメイトと距離感のある接し方をしていたことを聞いたくらいで……これ以上踏み込む気はないんで‼マジで‼」
慌てて弁解をするイナホさんに、私はなにもフォローすることはできなかった。
「もしかして、私ちょっとでしゃばりすぎましたかね、あはは……」
私はイナホさんの袖口を掴んで首を横に振った。
「理由は、もうない……」
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時