八十六 ページ36
部屋に戻ると私はイナホさんに貰った紙を読んだ。
それはハロウィンパレードについてのものだった。
「……ハロウィンにふさわしいものに限る」
それだけが仮装する際の資格。
つまりなんでもいいと……。
「……行くのか」
「……行きたくない。でも頼まれたし」
向こうは完全に行く気満々だった。
断るのはなんか悪い気がする。
「Aが嫌がるのは怖いからだろう。だが所詮作り物だ」
「……怖くないし。作り物じゃなくても怖くないもん」
オロチは見透かすような笑い方をする。
「ちなみにそのパレードには毎年本物の妖怪も紛れ込んでいる」
「なんでそれ言うの……」
完全に行く気なくした。
「怖くないのだろう?」
オロチは意地悪をして私を笑う。
「だが奴らは何かを企んで参加しているわけではないぞ。人間と行事ごとをただ単に楽しみたいと参加している。それに人間がいる中で手出しはできないだろう」
「そりゃ、そうだけど……オロチは参加したことある?」
オロチは首を横にふった。
「じゃあオロチも参加しようよー」
は手元にあったクッションでオロチを叩きつけた。
「くだらん。それよりそのパレードは夜までなのだろう。許しは得なくていいのか」
「……おじさん夜遅いからいいよ。それにオロチいるもん」
オロチはため息をついてまた、私のおでこを指先で小突いた。
「許しは得ろ。そしたらついていってやる」
オロチはそう言って優しく微笑んだ。
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時