八十二 ページ32
それは学校が終わってのことだった。
なんとなく本を見たくて図書室へ向かった。
放課後に図書室へ来る児童はあまりいなかった。
なにか新書が入ったわけではないけれど気まぐれだった。
「オロチは本読むの？」
「……頻繁には読まないな」
私は気になるジャンルの本棚の本の背を指で追っていった。
「こんにちは」
不意に背後から声がし、振り返ると理科の先生が立っていた。
理科の先生はにこにこと笑う。
他の児童からは評判がいいけど、私は少し苦手だ。
なにを考えているかよく分からない。
なにか違った気配もする。
私から見たら得体の知れない人だった。
「……あの、夏休みの時先生私に……紙を渡しましたよね……？それって、どこで手に入れたんですか」
「ああ、そう言えばそうだったね。学校で拾ったんだよ」
なにか引っかかる。
たぶん、あの時使った御札は木箱の中に入っていた１枚だったんだと思う。
赤い目がうっかり落としたのだろうか。
それとも意図的なのだろうか。
「もしかしてそういうのに興味があるのかな？だったら向こうの古書コーナーを見てみるといいよ。それじゃ、僕は用事があるから失礼するよ」
理科の先生が出ていったことを確認すると私は古書コーナーへ向かった。
古書コーナーに置いてある本はどれも黄ばみ、決して綺麗とは言えなかった。
借りる人も居らず、埃も溜まっているようだ。
興味があるわけでは無いのだけれど折角なので適当に１冊手に取ってみた。
これは偶然なのか必然なのか。
私が手に取った本は陰陽関連の物だった。
専門家の解説だとか、つらつらと文字が連なり、読む気が失せる。
所々貼られた写真を見ては頭がはてなになった。
「これ、似てる」
写真の１つを指差した。
それは御札だった。
でも書いてある文字が違うように思える。
「……読めない。読んで」
オロチに丸投げした。
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アミュレット - 今日も良かったです！ (2017年5月18日 20時) (
レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね！焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています！ (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年5月5日 18時
