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「来ないで……」
彼は足をピタリと止めた。
「妖怪……です、よね」
恐る恐る聞いた。
彼はしばらくしてから
「そうだ」
と、答えた。
「妖怪が直接人に危害を加えるというのは余程のことをしたのだろう」
「……知りません。あなたも私に危害を加えるつもりなんですよね……」
私がそう言うと彼はなにも答えなかった。
だから私は続けて言った。
「皆私を殺したがっている……ねぇ、あなたが殺してくれませんか。逃げないようにそこの木にでも括り付けてくれれば逃げられないから」
「……何故わざわざ助けた相手を殺さなければならない」
彼は足音もなしに私の前に立った。
私は顔をあげられない。
「……あまり私を見ないで。こんな醜い姿早く消して……」
私は服の裾をぎゅっと掴んだ。
「断る」
答えが出たのはすぐだった。
「……家まで送ってやる」
彼は無理矢理に私の腕を引っ張った。
瞬間私はその手を振り払った。
「……自分で帰れます」
私は走ってその場から去った。
私が捕らえられていたのは山奥のようで、私は麓に続いているであろう細い道を駆け下りた。
「ぇ……っっ‼」
山からおりた瞬間私は戸惑った。
目の前に広がる光景は私が今までに見たことのないものだった。
それは遠い場所という訳ではなく、建物とか、空とか日本に存在するのかわからないものがあった。
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時