六 ページ6
その瞬間私の体はお尻から地面に落っこちた。
目を開けると私を締めていた手は２つ、伸びているところから1メートルほどで、ぶつりと切れていた。
黒い血のようなものがどろどろと流れている。
「ﾅｾﾞ……ﾅｾﾞ……ｿｲﾂﾊﾜﾚﾗﾉﾃｷ……」
大きな黒い妖怪はうろたえた。
「数百年も昔のことを恨みはらそうとするのは勝手だが、本人ではなくその子孫にはらそうとするのは筋違いだろう」
木の陰から人が一人現れた。
いや、人のように見えるけれど多分彼もあの大きな黒い妖怪と同じ類。
大きな黒い妖怪と人形の妖怪はなにか言っていたけれど私にはもうなにも聞こえなかった。
眠るように私は意識を手放した。
夢の中で私は温かいところにいた。
昔母親の膝でお昼寝をしていた時のような、温かい気持ち。
真夏の暑い日で、団扇でそよぎながら
私のくるくるの癖っ毛髪を撫でてくれた。
目を覚ますとママの顔が１番に目に入った。
いつもにっこり笑っておはようと言ってくれる。
そんな温かいことが欲しい。
死んだら叶うかな。
「ママ……」
目を開けるとそこには
「起きたか」
ママではなく男の子が居た。
「きゃ‼」
反射的に距離をとろうと勢い良く起き上がろうとしたら頭をがちん、とぶつけた。
それでも頭を押さえながら彼から距離を置いた。
彼は鼻を押さえていた。
はっ、と気づく。
地面に流れる黒い液体。
大きな黒い妖怪の姿はどこにもない。
「安心しろ。奴はもういない」
そう言って男の子は立ち上がった。
１歩私の方へ足を踏み出した途端、私は
「来ないで‼」
そう叫んだ。
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (
レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン！！さん» ありがとうございます頑張ります！！ (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン！！ - 頑張ってくださいね！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ＊gami＊さん» ありがとうございます！！頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年4月4日 19時
