五十 ページ50
「今より数百年先、我の力を最も受け継ぐ女の子が産まる
呪はれし女の子の名はAと言ふ
呪ひに見つからざるよう名を改め日和とし、安倍の血を受け継ぐことは隠す
もし呪ひに導かればこの御札を使へ
ただし使へる御札は1枚、使へる者はただ1人、呪はれし魂1つのみ
使い方は血が教へてくれむ
それまでは安倍の名を忘れよ
解決次第再び力を封じ込め、この先なのめなる人として生きていけ
……とまぁ、こんな感じかの」
読み終わるとお爺さんはそれを私に渡した。
正直よく分からない。
「ちなみにその巻物は本物だと思うのう、今までに見つかった安倍晴明の筆跡とよう似ておる」
「安倍晴明?」
今の時代には珍しい名前。
「お前さんにも分かるように言うのなら陰陽師の中で1番強く力のある人じゃ」
「その人って生徒会長みたい?」
そう聞くとお爺さんは苦笑した。
「あながち間違いではないのかもしれないの。千年経った今でも安倍晴明が施した結界は効力を保っているそうじゃの。目に見えるものではないから実際は分からないのう。ところでお前さんは安倍晴明の子孫……で良かったかの」
「子孫?」
重要なことが抜けていた。
巻物に書かれていた名前は私と一致した。
「……分かんない。名字が同じ人なんて珍しくないから……それも貰い物かもしれない」
お爺さんは冷えたお茶を一口飲んで
「……そうかもしれんの。まぁ、人様のうちに茶々入れるなと孫からきつく言われておるから詮索はせんが自ら首を突っ込むようなことはしてほしくないのぅ」
と言った。
「大丈夫。その、ありがとうございました。そろそろ帰らないと……ごちそうさまでした」
ペコリと頭を下げて私は椅子から飛び降りた。
「また何かあったら持ってきてくれればいつでも見てあげるからの」
「うん、ありがとう」
もう一度頭を下げて店を出た。
早歩きで駅まで向かう。
「A」
ぴたりと足が止まる。
「ねぇ、私のご先祖様って一体何者なの……?今までなにも聞かされなかったからわかんないよ……」
「……聞いた通りの事だ。Aは呪いをかけられた者でありその呪いは陰陽師の血を最も強く受け継ぐAだけしか解くことができない」
じゃあなんでご先祖様はこのことを隠したの?
「なんで私なの?これを書いたってことは今起こってることは予測できてたってことだよね⁉じゃあなんでご先祖様が祓わないの!?」
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時