四十九 ページ49
「うろうろしてないでここに座りなさい」
お爺さんはバーにあるような高い椅子を引いた。
身長が届かないので足をかけてよじ登った。
目の前のテーブルに白い陶器の湯呑みが置かれる。
「えーと、お菓子はあったかの……」
お爺さんは棚の中をごそごそと探る。
「丁度2つ……ほれ」
と、最中を2つ手渡される。
「ん?待ち人もおるのじゃろう。……だから孫にボケ老人と言われるのかの。そういえばプレゼント大層喜んでおったよ」
お爺さんはにこにこ笑ってお茶を一口飲んだ。
「あの、お願いがあるんですが……」
「そんなに畏まらなくてもいいよ」
私はリュックをおろして巻物を差し出した。
「ほう、これは随分と古そうな」
「これになにが書いてあるか分かりますか?」
どれどれ、とお爺さんは巻物をゆっくりひろげた。
「メガネはどこにやったかの‼」
お爺さんは2階に向かって叫んだ。
「頭の上‼」
さっきの女の子の叫び声が帰ってきた。
お爺さんは頭の上のメガネに気づくとそれをかけ、巻物に目をうつす。
「……お前さん、これはどこで見つけたのかな。……いや、聞かない方がいいかの。よし、解読してあげるから遠慮しないでくつろぎなさい」
そう言うとお爺さんは奥の部屋に引っ込んでしまった。
「…見えてるのかな」
最中を一つオロチに差し出した。
「……ボケているだけだ」
オロチは包み紙を剥がして最中を食べた。
私もやることがなく最中を頬張る。
それからの待ち時間お店の中でずっと待っていた。
女の子が降りてくると私に話しかける。
喋りだすと止まらない子らしい。
ただ私は聞いているだけなので楽なのは楽なんだけど流石に疲れた。
「おまたせ。……お客さんを困らせるんじゃない」
2時間ほどしてお爺さんが奥の部屋から出てきた。
未だに口が止まらない女の子の頭をぽんぽんと撫でる。
「それじゃあまたね」
女の子は私に手を振ると、とたとたと階段をのぼっていった。
「さて、解読はできたがこれはお前さん宛なのかの」
お爺さんは椅子に座り咳払いをすると解読した文章を書いたであろう紙を読み出した。
40人がお気に入り
「妖怪ウォッチ」関連の作品
推しは推しと云う概念だからこそ推しと呼ぶのだその2【妖怪ウォッチシャドウサイド...
蜘蛛の民の血を受け継ぐ妖怪(パート2)
【妖怪ウォッチ】イケメン乙女とその幼馴染み【日替わり】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時