四十八 ページ48
「もしかしてAちゃん?」
「ぇ……なんで名前……」
私が驚いていると司書さんはカウンターから出てきて私の前にしゃがみこんで目線を合わせた。
私は顔を少しそむける。
「覚えてない?あなたのママの友だちよ。前に来た時も居たんだけど流石に忘れちゃったかな。……元気そうで良かったわ」
司書さんはそう言って微笑んだ。
「ゆっくりしていってね」
司書さんは私の頭をぽんぽんと撫でるとカウンターに戻った。
私はそそくさとその場を離れ、2階の古文書などが置かれた棚へ向かった。
それっぽい本を集め、机に山積みにした。
巻物を広げ、手当り次第に本を広げていく。
「全くわかんない」
調べ始めて約2時間。
お手上げ状態。
かすれてるのもあるせいで全然訳分からない。
「Aちゃん」
階段から司書さんが顔を出した。
「こんなとこにいるなんて珍しいわね。なにを調べているの?」
司書さんは私の後ろから覗き込んだ。
「あら……また凄いもの持ってるわね。どう?わかる?」
私は首をふった。
「そうよねぇ、調べてもちょっと分からないかもね。もしかしたらお爺さんなら分かるかも。駅前を左に入ったとこに骨董品って書いた看板があるんだけどそこのお爺さんがそう言うの詳しいのよ。行ってみるのもいいかもしれないわ」
司書さんが1階へ帰ると私は本をしまった。
「そこにいくつもりか」
「……うん。駄目、かな」
オロチは眉をひそめ
「……怪しくないか」
と言った。
「……普通のお爺さんだったよ、それっぽい気配もなかった。多分大丈夫……」
本をしまい終えると、私たちは図書館へ出てお爺さんの居る骨董品屋へ向かった。
どぎつい看板が見えると、すぐにそこだと分かった。
子どもの私には入りづらく、店の前でうろうろしていると私と同い年位の女の子が不思議そうに見ていた。
「……お客さん?」
女の子は首をこてん、と傾げた。
「え、あ、その……ここのお爺さんに……その……用事が……」
「うん、おじーちゃん‼可愛い女の子のお客さんだよー‼」
女の子は戸を開け、中に大声で叫んだ。
「さ、入って入って」
女の子は私の腕をぐいぐい引っ張って中へ入れた。
「あれ、おじーちゃん居ないのかなぁ?あ、どっかその辺に座っててよ」
そう言って女の子は階段をたんたんと駆け上がっていった。
未だにうろうろしていると階段からお爺さんがこちらを見ていた。
40人がお気に入り
「妖怪ウォッチ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時