祓うべきもの壱【オロチ】 (ページ47)

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四十七ページ47

ジリジリと太陽が乾いた土を照りつけ、蝉がミンミンと耳を劈く。

人通りは疎らで、全くいないというわけではない。

妖怪はこの近くには居ないようだ。

ぼんやりと眺めていると、

「こんにちは」

お爺さんが声をかけてきた。

「……こんにちは」

「お休みのところ悪いけどちょっと頼まれてはくれんかの」

お爺さんは近くのおもちゃ屋さんを指差した。

「孫にプレゼントをしたくて、でも今時の子がなにが好きかわからなくての……」

お爺さんは照れくさそうに笑った。

「お前さんのような位の年の女の子なんじゃが……」

お爺さんに引っ張られ私はそのお店へ入った。

中には少し昔に流行ったようなおもちゃが幾つもあった。

こんな辺鄙な土地に新しく商品を追加することは難しいだろう。

それに私はそういうの疎い。

クラスメイトの女の子たちはなにを話題にしていたっけと、曖昧な記憶を手繰り寄せる。

「あの……確かこの、自分でアクセサリ作るの流行ってる……」

私は近くにあったアクセサリを作るおもちゃを指差した。

「なるほど、じゃあプレゼントはこれにするよ」

お爺さんはにこにこ嬉しそうにおもちゃを抱えるとレジに行った。

そろそろオロチが戻ってくるんじゃないかとこっそりお店を出ようとすると、

「あ‼お前さん‼まだ行かないでくれんかの」

大声で呼び止められ私は仕方なく店の入り口でお爺さんを待った。

「お前さんのおかげで助かったよ。なにかお礼をしなくてはの」

「だ、大丈夫……です……。その、待ってる人もうすぐ来るから……」

お爺さんは終始にこにこしてとても機嫌が良さそうに声も弾んでいた。

「それじゃあ仕方ないの。わしはそこの道を入ったところで骨董品と言って古いものを扱っておる。見ればすぐに分かるよ、いつでもいいから気が向いたらおいで」

そう言ってお爺さんはお店を出ていった。

「ここに居たのか」

お爺さんが行ってすぐにオロチが帰ってきた。

「なんか……骨董品のお爺さんに孫にあげるプレゼント選んでほしいって連れてこられた……。それより図書館見つかった……？」

「……あぁ」

オロチに連れられ、私は図書館に向かった。

外見を見て思い出した。

あの頃のなにも変わっていなかった。

中に入ると図書館独特の香りがした。

「ねぇ」

入り口近くにいた司書さんに呼び止められた。