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四十五 ページ45

古い木箱だけ持ち出して私たちは蔵に鍵をかけた。

鍵は私のワンピースのポケットに。

部屋に戻ると巻物を開いた。


「……読めない」


達筆過ぎるのか、古すぎて黄ばんで文字がかすれているし全く読めない。


「こういう文字、テレビでたまに見る……骨董品とかなんとかで……どっちにしろ私詳しくないから読めない……。オロチは昔の人だから読める……?」


「……多少は。だが内容まで解読はできん」


こういうものってこれだけじゃないような気もしなくはないがとりあえず重要なのはこれだけなのだろうか。

結局読めないし手がかりになりそうにない。


「……ねぇ、これ……変」


私は札の束を指差した。

紐でくくられているのだが、謎の隙間がある。

札は紙だし緩く縛るのも分かるけれど、その割には隙間があり過ぎる。

あたかもそこに元はもっと札があったような。


「学校で使ったあの札……同じような物のようだが……ここから抜き取ったんだろう」


「……そう、かも。でもなんで全部じゃないの?」


と、疑問を投げかける。

でもオロチもよくわからないようで眉をひそめるだけだった。


「あぁ、そうか」


と、おろもむろにオロチは札の束を手に取った。

その瞬間オロチの手から白い煙が出てきた。

ぱさりと札の束が落ちる。


「オロチ手真っ赤……」


札の束を持っていた手の平は真っ赤に、手袋は燃えたようになっていた。


「私は祓われるべき対象という訳だ。一言に札と言えど役割は一つ一つ異なる。残ったこの札は私のような妖怪を祓う為のものだ。だからAが持っていても害はない」


触れてみたけど確かになにも怒らなかった。


「……でもなんであの蔵にあったのかな」


「そんなこと今はどうでもいい。それが使えると言うならあいつも祓えるんじゃないか」


私は札を箱にしまった。


「……本当?」


「確証があるとは言えないが可能性はある。だがその巻物の解読はしておいた方がいいだろう」


ふと巻物に視線を移す。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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