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四十三 ページ43

次の日の夜のことだった。


「……?」


ふと目を覚ますと頭に鈍痛がはしった。


「……お茶」


私は寝ぼけ眼を擦ってのそのそと布団から出た。

障子を開けると月の光が怪しく照らした。

ガラス戸ががたがたと揺れる。

木の葉ががさがさと揺れる。

あまり外に視線を向けぬよう、台所へ向かった。


「ね、ねぇ……オロチ……」


隣の部屋の前でオロチの名を呼んだ。

だけどこんな深夜に起きているはずもない。

そっと障子を開けると、布団がちらりと見えた。


「……なんでもない」


障子を閉め、再び台所へ向かった。

お茶を飲んで部屋に戻るとき、廊下に生暖かい風が吹き抜けた。

余計に怖くなるし急いで部屋に戻った。


「……開いてる」


自分の部屋の障子が少しだけ開いていた。

部屋を出るとき、きちんと閉めていなかったんだなと部屋に入るときちんと閉めたのを確認した。


「……?」


ふと部屋に誰かが居た残りの気配を感じ取った。

あぁどうしよう。

……お化けだ。

電気つけたら目の前に現れるタイプのやつだ……。

と思ってみたけど今までにそんなホラー映画みたいな展開はなかったしそもそも残りの気配があるだけでもうこの部屋には居ない。

でも、この感じなんか……変。

電気をつけて部屋の様子を確認した。

なにも変わった様子はない。


「……?」


ハンガーにかけてある服に違和感を覚えた。

とは言え、位置が変わったとかそういうものではなく、ただなんとなくと言う漠然としたものだった。


「……ない」


ワンピースのポケットに手を突っ込むと蔵の鍵がなかった。

反対側のポケットを確認しても、床を見ても落ちていない。


「オロチ……‼」


私は部屋を飛び出し、隣の部屋の障子を思いっきり開けた。

部屋はもぬけの殻。

一瞬頭が真っ白になった。

頭をぶんぶんふって私は3センチ程開いたガラス戸を開け、靴もはかず外へ飛び出した。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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