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十九 ページ19

ぐずる私にオロチは無理やり腕を引っ張って立たせた。


「ここにいても仕方ない。音のする方へ向かってみるとしよう」


オロチは私の手をぎゅっと握った。


「……っっ‼触んないで」


私はその手を振りほどいで1歩後ろへがった。


「……なら、はぐれないようついてこい」


オロチは冷たく言い放って階段へ向かった。

私は2メートル程距離を置いてあとを追いかけた。

完全に真っ暗という訳でも無く、月明かりで廊下くらいは足元が見えるくらいだった。

だけど月明かりはなんだか不気味に光っていた。

階段を渡りきって今度は廊下を歩いた。


「……ねぇ、まだつかないの」


音は私にも聞こえている。

だけどオロチ任せに歩いていたのだが、いつまでも着く気配がない。


「……おかしいと思わないのか」


無言を貫いていたオロチが突然立ち止まってこちらを振り返った。


「……いくら歩いてもたどり着かない」


オロチの言っている意味が分からなかった。

そんな私を見てオロチはクラスの書かれたプレートを指差した。

そのプレートには5年2組と書かれている。


「今からまたこの先を歩く。順にそれをおっていけ」


そう言ってオロチはまたあるき出した。

私もプレートを追ってついていった。


「5年2組……3組……空き教室……1組……トイレ……2組……3組……」


ふと足が止まる。


「……戻ってる」


それでようやく気づいた。

私たちはずっと同じ廊下を歩いていると。


「……違う階いけば」


戻って階段へ行ってみるも、奇妙なことに階段は消えていた。

向かいの校舎へ続く廊下も見えないまっさらの壁だった。


「きゃ‼」


階段があるはずの壁に手を触れると壁から赤い火の玉がすり抜けてきた。

私は驚いてしゃがみこんだけれど髪が少し焼けたのか匂いが不快だった。

「なんなんだこれは」


赤い火の玉は私とオロチの周りを8の字に移動し、私の目の前に止まったかと思うと火の玉は1つから2つ。

2つから3つと分裂し、8つになると丸になるよう配置された。

中にぼんやりと火の文字が浮かび上がる。


『醜ニクキ哀レナ不幸ノ子ヨ

呪イニ導カレシ二ツノ幼子ヨ

オ前ラノ運命ハ右ヘ左ヘ

一ツノ幼子ハ鳥籠ノ中

サスレバ扉ハ開カレル』


すると周りの火の玉と火の文字は水をかけられたように消えてなくなってしまった。

代わりに上から紙が1枚ひらり、ひらりと舞い落ちてきた。

キャッチしようと手を伸ばしたが紙ひらりと逃げていく。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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