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陽炎は逃げ惑う私をまるで嘲笑うかのように揺らめいた。


「はぁ……っはぁ……っ」


木陰に隠れ、肩で大きく呼吸をした。


「ドコニイッタ……ココカ?」


とても大きな息に鳥肌が立つ。

手で自ら口元をおさえ息を止める。

苦しくて苦しくて意識さえ手放してしまいそうだった。


「ドコイッタドコイッタ……」


とても低い声は段々と遠ざかっていった。


「はぁ……っいった……?」


こっそり覗いてみると、2メートル程の大きな黒い妖怪はいなかった。

私はやっとの思いで呼吸をするも生きている心地なんてものはしなかった。

つい1年ほど前、ある人が私に


「お前は疫病神だ」


と言われた。

それからだろうか。

私は異端者で死ぬべき存在なんじゃないかと思ったのは。

だって私は"化け物"だもの。

だけど私は死ぬことすらできないとんだ臆病者でただ逃げることだけしか出来なかった。

それから私はやっとの思いで家についた。

薄紫の屋根の一般的な一軒家。

家の鍵を鍵穴に挿し込むと違和感があった。


「……あいてる」


私は鍵を引っこ抜き、それを薄黄色のワンピースのポケットに入れた。

そっと扉を開けると、キッチンから背が高く、ガタイのいい髭を少しはやした男が出てきた。


「おかえり。お昼はオムライスにしてあげるから手洗いうがいしておいで」


花柄のエプロンが不似合いすぎるのは私のおじさん。

父親の弟。


「ぁ……ただ……いま……」


私は視線をそらし挨拶をした。

そして逃げるように洗面所へ急いだ。

三→←一



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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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