検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:15,498 hit

55 ページ5

あれからどのくらい経っただろう。


「ほんっと変な子だよね。いっつも独り言言ってさ?まるで誰かと話してるみたいでさ、気持ち悪いよ?」


何度も浴びせられる言葉ももう私には受け付けられなかった。

なんだかぼんやりする。


「じゃ、掃除よろしくね〜」


そう言ってそいつらはゴミ箱を蹴飛ばして帰っていった。

バタバタと足音が聞こえなくなると私は転がったゴミ箱を拾った。

涼しい風が教室内へ入る。

それすらも嫌に感じてしまう。


「……!!」


教室の床に一瞬黒い影が横切った。

私はそれを確認すべく、カーテンを翻した。

だけどそこにはなにもなかった。

誰も居なかった。

ただオレンジ色の夕焼けが私を早く帰るようにと急かすだけだった。

掃除もそれなりにして私は学校を出て帰路についた。


「こんなとこ見られたくないなぁ……」


自分の影を見つめとぼとぼと歩く。


「ぁ……っ」


思わず小さな声が出た。

少しばかり体がよろめいた。

曲がり角だった為、本当偶然にぶつかってしまったわけだった。


「ぁ……Aちゃん」


俯いた顔をあげるとそこにはさっちゃんがいた。


「……ごめん」


そう言ってさっちゃんは走って消えてしまった。

あの日もこんなことがあった。

その謝罪には一体なにが含まれているのか。

そう言えばあの日私誰かと会ったんだっけ。

名前も顔も覚えていない。

だけど誰かと会った。

確か公園……だっけ?

自然と私の足は公園の方へ向かっていた。

56→←54



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

詩帆(プロフ) - 50票目貰った・・・・・・! (2021年9月27日 17時) (レス) @page23 id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - あぁあ…この小説も好き過ぎるわぁ… (2019年5月25日 20時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» はい!!頑張ります!! (2017年4月1日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - これからも、頑張って下さいネ(^O^) (2017年4月1日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます(>ω<) (2017年3月31日 11時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年3月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。