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「そう言えばさ、これはどうしたらいい?」
私はオロチと出会ったきっかけとなった小さなガラス玉をポケットから取り出した。
「私には必要ない。Aが持っていればいいだろう」
「……私も必要ないよ」
そう言ったけれどオロチはそれを私から引っ手繰ると、手探りで私のパーカーのポケットに突っ込んだ。
「ちょ、急に離さないでよ。ていうかくすぐったい」
「絶対になくさないようにな。それも自分も」
オロチは思いつめたように遠くを見つめた。
「……そうする。ね、私とお別れするの寂しいんでしょ」
また意地悪して言うとオロチはため息をついて
「そうだな」
と言った。
「……待ってるね」
「あぁ、期待して待っているといい。すぐに会いにいってやろう。……そろそろ時間だ」
私はふと思い出しもう少しだけとオロチに頼んだ。
私はポケットから二回に折りたたまれた紙を取り出すと、それを風とともに流した。
きっと運命とかが届けてくれるだろう。
私は見えなくなるまでそれを見続けていた。
「さ、いこう」
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詩帆(プロフ) - 50票目貰った・・・・・・! (2021年9月27日 17時) (レス) @page23 id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - あぁあ…この小説も好き過ぎるわぁ… (2019年5月25日 20時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» はい!!頑張ります!! (2017年4月1日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - これからも、頑張って下さいネ(^O^) (2017年4月1日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます(>ω<) (2017年3月31日 11時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年3月29日 2時