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お風呂からあがって部屋に戻るとオロチが窓を開けて外の景色を眺めていた。

私に気づくとオロチは直ぐに窓を閉めた。

特に会話を交わすことなく、私は本棚から本を一冊取ってベッドに座った。


「……悔いはないか」


オロチがぽつりと呟いた。


「……別に」


私は素っ気なく返した。


「……私が自分で決めたの、悔いは無いよ」


「……あいつは、どうだった」


何故こんなにも聞かれないといけないのか、少し遠慮もしてほしいものなのだが。


「随分と好意を持っていたようだが」


「うるさい!!」


持っていた本を投げつけたが、うまく交わされ本は壁にぶつかり床に落ちた。


「す、好き……だったけど、さ。そもそも居る時間が違うんだし……。ていうか私まだ小学生だしこれからって、いうか……」


手の甲に大粒の涙が幾つか落ちた。


「……すまない」


オロチは今頃この話題がNGだと分かったらしく、私の頭を雑に撫でた。


「別に未練なんてないし……慰められなくても全然平気だし。ていうかオロチなんかに慰められたくない」


手を払いのけ、立ち上がってさっき投げた本を拾った。


「そういえばさ、私が過去に居ることでなんでオロチが消えるのって今一よく分からなかったんだけど」


ふと思い出したことを口にした。


「……気づいていなかったのか」


オロチは目を見開いた。


「わかんないよ……もしかしてあの時代に知り合いとか居たりしたとか?」


「妖怪は……生まれてから妖怪というわけではない。死ぬことで妖怪になることだってある。ひどい憎しみも後悔も復讐心も同じだ」


一瞬オロチの目から光が見えなかった。

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詩帆(プロフ) - 50票目貰った・・・・・・! (2021年9月27日 17時) (レス) @page23 id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - あぁあ…この小説も好き過ぎるわぁ… (2019年5月25日 20時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» はい!!頑張ります!! (2017年4月1日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - これからも、頑張って下さいネ(^O^) (2017年4月1日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます(>ω<) (2017年3月31日 11時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年3月29日 2時

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