夜桜37 ページ37
「水……水が……ほしい……っす……」
「……水?」
干からびたそれはぷるぷると頷いた。
私は言われたとおり近くの自販機で水を購入した。
「か、買ってきたよ」
ペットボトルの蓋を開けて差し出したがふるふると震えるばかり。
よく見てみるとくちばしに、頭はお皿のようなものがのっていて知る中でそれはカッパと同じように見えた。
確かお皿が濡れていないと力がでないと聞いたことがある気がする。
私はペットボトルの水を半分お皿へかけてみた。
すると干からびた体にハリが出てきた。
残りの半分は口の中に流し入れた。
少しすると干からびていたものはすっかり元通りになった。
その姿はやっぱりカッパだった。
「助かったっす‼命の恩人っす‼」
カッパは私の手をがっしりと掴んで縦にぶんぶんと振った。
「オレ、ノガッパっす‼」
「ぁ、ぇぇ……夜桜A、だよ」
ノガッパはぺたんと尻もちをついた。
「オレ少し遠くに行くから水筒を持っていたんすけどね」
ノガッパは肩にかけていた真っ赤な水筒を見せてくれた。
「でも途中で無くなっちゃって干からびちゃてたっす‼」
他人事のように笑うノガッパ。
「だからAが来て助かったっす‼」
「ああ、うん。いいよ。私もオロチに助けられてばっかりだったから……」
ノガッパはなんのことかとでも言うように首をこてん、と傾げた。
「あ、もうすぐ6時だ。帰らないと。ノガッパも帰るの?……やっぱり川に住んでるの?」
そう聞くとノガッパは頷いた。
「……送っていこうか?」
「大丈夫っす‼もう暗いし危ないっすからね」
そういうもののノガッパは尻もちをついたまま立ち上がろうとしなかった。
「私は別に急いでないし暗くても全然平気だよ」
私はノガッパの手を掴んで引っ張った。
「さ、いこ」
私はノガッパが転ばないように手を握った。
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剣城京菜(プロフ) - 私も最初映らなかったのでおかしいなと思って何回か試したんです。でも直らなくてずっと放置してました(汗)つい今試してみたらきちんと表示されたのでもう大丈夫だと思います!ありがとうございました!!これからもより良いものが作れるように頑張りますっっ (2017年10月8日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - あの、表紙の絵が半分より下が映ってないです…。最初はネット繋がり悪いのかな?って思ったんですけど、多分半分しか貼れてないと思います…違ったらすみません汗 夜桜語りも面白かったです!応援してます!長文失礼しました!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます!これからも頑張りますっっ! (2017年9月8日 20時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 新作が出来て、嬉しいです(^^)これからまた、頑張って下さい! (2017年9月8日 18時) (レス) id: f05737ad1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年9月1日 18時