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夜桜4 ページ4

「いつも一人にしてごめんね」


寝る前にたまに思い出す昔のこと。

おばあちゃんが死んで私は1人だった。

パパもママもいるけれどお仕事で家にいることは殆ど無い。

1人だから、いろいろできることが増えたけれどずっと1人だった。

目を閉じると暗闇の中にほのかなピンク色の光が1つ、ひらひらと舞った。

はっと目を開ける。

目覚まし時計を確認すると針は午後2時を示していた。


「なんか外が変だ……」


これと言って変だと断定できることはなかったが直感的に今の現状が普段とは違うような、そんな気がした。

ベッドから降りると私は1階へ降り、両親の寝室へ入った。


「ママ、起きて……」


ベッドの横にある小さな灯りをつけると私はそこに誰もいないことを知った。


「……まだ帰ってないのかな」


寝室から出ると私は裸足のまま玄関を開けた。

街頭の灯りはついていない。

こんな真夜中になると街頭すらも消えてしまうのだろうか。

灯りのない世界にあるのは月の光だけ。

それだけがぼんやりとこの街を照らしている。

真夜中は私の知らない世界。

何故だか私の胸は少しばかり高鳴っていた。

道の真ん中を歩いても人もいないし車もいない。

まるで私だけの世界。


「……ここどこだろう」


知っている場所なのに私は知らない。

分からない。

辺りをきょろきょろと見回しながら私は知らない道を歩く。


「……ぁ」


遠くにちらりとピンク色の光が見えた。

駆け寄るとその先にひらひらとピンク色の光がいくつも舞っている。

落ちた光を両手ですくうと風もないのにふわっと浮いてひらひらと離れていく。

導かれるように私はその光を追いかけた。

追いかければ追いかける程、ピンクの柔らかな光は増えていく。

私は必死になって走っていた。

すると正面からピンクの光を巻き込み、強風が吹き荒れ足が止まる。

風が和らぎ、目を開けると私ははっと息を呑んだ。

そこには眩しいほどのピンク色の景色が広がっていた。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 私も最初映らなかったのでおかしいなと思って何回か試したんです。でも直らなくてずっと放置してました(汗)つい今試してみたらきちんと表示されたのでもう大丈夫だと思います!ありがとうございました!!これからもより良いものが作れるように頑張りますっっ (2017年10月8日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - あの、表紙の絵が半分より下が映ってないです…。最初はネット繋がり悪いのかな?って思ったんですけど、多分半分しか貼れてないと思います…違ったらすみません汗 夜桜語りも面白かったです!応援してます!長文失礼しました!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます!これからも頑張りますっっ! (2017年9月8日 20時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 新作が出来て、嬉しいです(^^)これからまた、頑張って下さい! (2017年9月8日 18時) (レス) id: f05737ad1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年9月1日 18時

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