夜桜15 ページ15
「……なんでまた黙るの⁉私には関係ないんだ⁉……私のこと面倒くさいの?だったら早くどっか行ってよ‼私は一人でいいよ‼一人でなんでもできるもん……‼料理だって洗濯だってできるし一人で寝れる‼中途半端に関わったりしないで……っっ‼私は……"一人でいい"……っっ‼」
また、逃げ出した私にオロチはなにも言葉をくれなかった。
ずっと歩いていて疲れていたのもあってそう遠くまでは来れなかった。
ふにゃっと足の力が抜けその場に座り込んだ。
また、暗闇は私を誘い込む。
終わってしまうのならその手を取ってしまおうか。
暗闇になった影に影が重なる。
「一人で生きれる人間など居ない。私が教えないのは知らないからということもあるが、私自身はっきりとした理由は分からないからだ。だが、たった2日だがAを見て納得できた。……"寂しい"のだろう」
「……違うよ。私寂しいなんて思ったことない。だって私にはパパとママがいるもん。欲しくても片方か、両方居ない子だっている。私にはおばあちゃんもいるし、友だちもいる。それで寂しいとか、贅沢でしょ……?」
自分でも怖いくらいに震えた声だった。
「……それはAが認めたくないだけだ。無意識に寂しいという感情を殺しているのだろう」
「ち、違う……ほんとに、寂しくなんかないよ……‼」
私は顔をあげることが出来なかった。
認めた訳じゃない。
絶対、違うよ。
「暗闇が現れる法則、それはAがよく知っているはずだ。認めれば消えるわけでもなく根本的に原因は違うが少しは良くなるだろう」
オロチは猫のようにまるまった私の背中を撫でた。
「……正直私はAにどう接していいか分からない。優しい言葉もかけられない」
オロチは後ろから頭を卵を扱うようにそっと抱えた。
「寂しいという感情は認めない必要はない。寂しいと言うのなら私が側にいてやろう」
無意識に私はオロチの背中に手を回し、ぎゅっと服を掴んだ。
「寂しいよ……本当はずっとママとパパと居たかった……おばあちゃんと居たかったよ……寂しい、寂しいよ……」
こんなに1日にいっぱい泣いたのはいつ以来だろう。
オロチはずっとずっと、私が吐き出し終わるまでずーっと、優しく抱きしめてくれた。
小さく、小さく、とってもちいさく。
私の中で何かが芽生えた。
日も半分沈み流石にもう帰らないと大変なことになる。
帰る道中、オロチは昔のことを話してくれた。
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剣城京菜(プロフ) - 私も最初映らなかったのでおかしいなと思って何回か試したんです。でも直らなくてずっと放置してました(汗)つい今試してみたらきちんと表示されたのでもう大丈夫だと思います!ありがとうございました!!これからもより良いものが作れるように頑張りますっっ (2017年10月8日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - あの、表紙の絵が半分より下が映ってないです…。最初はネット繋がり悪いのかな?って思ったんですけど、多分半分しか貼れてないと思います…違ったらすみません汗 夜桜語りも面白かったです!応援してます!長文失礼しました!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます!これからも頑張りますっっ! (2017年9月8日 20時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 新作が出来て、嬉しいです(^^)これからまた、頑張って下さい! (2017年9月8日 18時) (レス) id: f05737ad1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年9月1日 18時