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連れて来られたのは小さな家だった。
家の造りも現代とは全くことなっていた。
「いったいっっ!!」
擦り潰された薬草を塗り込まれたのち、汚いボロ布で包帯のように巻かれた。
「静かにしてくれ。親が寝ている」
そう言われ、はっと自分の口を手で塞いだ。
「家はどこだ、送り届けよう」
「えっ」
そんなことを言われても困る。
絶対分からないから。
「……さくらニュータウン」
「聞いたことないな……場所はわかるか」
私は首を横にふった。
男の子は手当てに使った物を片付けると、私の隣に座った。
「何故あんなところにいた」
「え、いや……その。落ちた、のかな……」
ちょうどいい言い訳は見つからなかった。
「おかしな奴だ。考えてみればもう夜も深い。よければ泊まっていくといい」
「え、でも……」
ちらりと男の子の両親の方を見た。
「構わないわよ。ゆっくりしていきなさいな」
寝ていたと思っていたが、寝たふりだったらしい。
「あ、ありがとうございます……」
こうして私は男の子の家に一晩泊まることとなった。
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剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^_^) (2017年3月28日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 初めまして!この小説は、とても面白かったです(≧∇≦)これからも、応援します! (2017年3月28日 14時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ライラさん» ありがとうございます^ ^頑張ります!! (2016年3月28日 2時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - 面白いですね!!続きが楽しみです、頑張ってください(o^^o) (2016年3月27日 12時) (レス) id: 28c829f7f7 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます^ ^ (2016年2月1日 20時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年1月11日 11時