検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:56,921 hit

28 ページ28

「うーん、お腹いっぱい」


ご飯を食べ終え部屋に戻ると本でも読もうと本棚の前に立った。


「……これにしよ」


一冊の本をだそうとしたら本同士になにか挟まっていたのか、ピンクのノートが足元に落ちた。


「……交換日記」


それは数年前の交換日記だった。

中身をめくると、汚い字でいろんなことが書かれていた。

今ここにあるということは私が止めたということである。

最後に相手が書いた文章の終わりの一言。


『ずっと仲良くしてね』


「……だから嫌だったんだ。嘘つき……もう友達なんかじゃない」


ノートに滴が落ち、文字を滲ませた。

切れ端となったノートは足元に散らばった。


「う……っっうぇぇ……っっ」


ベッドに潜って部屋の外に漏れないように泣いた。

だけど泣いたところでなにも変わらない。

悲しくなるだけ。


「……?」


なんの音だろうか。

すぐそこで何かが落ちる音が聞こえた。

布団を剥いで部屋を確認しても誰も居ない。

だが、もう一つ。

私には見る手段があった。

ポケットからガラス玉を取り出し、翳してみる。


「だ、誰……」


そこには丸い紫色のなにか古い鏡のような舌を出した妖怪が居た。


「おお……やっと気づかれましたか……!!わたくしうんがい鏡と申します」


「うんがい鏡?」


うんがい鏡は礼儀正しく、愛想も良かった。

舌は除いて。


「実は朝から居たのですがなかなか気づいて貰えなくて」


「……ごめん」

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^_^) (2017年3月28日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 初めまして!この小説は、とても面白かったです(≧∇≦)これからも、応援します! (2017年3月28日 14時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ライラさん» ありがとうございます^ ^頑張ります!! (2016年3月28日 2時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - 面白いですね!!続きが楽しみです、頑張ってください(o^^o) (2016年3月27日 12時) (レス) id: 28c829f7f7 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます^ ^ (2016年2月1日 20時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年1月11日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。