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「ただいま」
「あ、おかえり〜。お昼ご飯あとちょっとで出来るから待ってなさいね」
妙に機嫌のいいお母さんを不審に思いながらも私は部屋に戻った。
部屋に戻ると本でも読んで待っていようかと思った。
「なんだそれは」
後ろから覗き込むオロチは私が手に取った本に興味をしめした。
「なんか、幽霊とか妖怪とかなんちゃらかんちゃら……」
ようは世界に存在する都市伝説とも言えよう。
小さなおじさんとか妖精だとか。
この間の本とは別物であり、大半は文章が綴られており、写真が幾つか載っているものだった。
「私さ、こういうの好きなんだ。誰も知らない現実に起こりえないこととか……」
つい誰にも言ったことのないことを言ってしまう。
「……今のは忘れて」
私はその本を戻してベッドに座った。
なにが正しくてなにが間違いなのか。
舞い上がってしまう自分がいて。
こんなんじゃいけないって。
「……そんな考えも悪くない」
オロチは私の隣に距離をつめて座った。
「現実に起こりえないことは今起こっている。それは間違いじゃない。現実だけを見るよりなにか期待を抱いている方が素晴らしいことだと思うが」
「……同情ならいらないよ。間違いがなんなのかはわかってるから」
私はそれだけ言って部屋を出た。
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剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^_^) (2017年3月28日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 初めまして!この小説は、とても面白かったです(≧∇≦)これからも、応援します! (2017年3月28日 14時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ライラさん» ありがとうございます^ ^頑張ります!! (2016年3月28日 2時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - 面白いですね!!続きが楽しみです、頑張ってください(o^^o) (2016年3月27日 12時) (レス) id: 28c829f7f7 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます^ ^ (2016年2月1日 20時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年1月11日 11時