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部屋着に着替えると漫画をベッドで横になりながら読み始めた。

そして直ぐに部屋の扉が開いた。


「寝てなくていいのか」


私は無視して漫画を読み進めた。

オロチは不満そうな顔で私の隣に座った。


「こっち見ないで」


オロチが後ろから覗き込むので私は漫画を閉じて本棚に戻した。


「……その男2人は一体なにしている」


「プ、プロレスごっこ……」


聞かれたくないことを聞かれ、私はプロレスごっこだと誤魔化した。

この本は本棚の後ろに隠しておくべき代物だ。

私は後ろにあった本とそれを交換して置いた。


「あっつい……」


身体に熱がこもる。

あちこち痛いしだるい。


「……どいて」


オロチはすぐさまベッドから退いた。

私はベッドに潜り込んで丸まった。

寒かった。

震えていると階段をあがる足音が聞こえた。

その足音はこの部屋に近づいてくる。


「A、起きてる?」


お母さんの声だった。


「私はもうここまでのようだ……」


「なにバカなこといってんの。入るわよ」


と、勢いよく部屋の扉が開いた。


「風邪なんかで死んだりしないわよ」


お母さんはお盆に小さな鍋をのせていた。

それをテーブルの上にのせた。


「薬持ってくるの忘れたから自分で熱測って」


お母さんはエプロンのポケットから体温計を取り出すと私に渡して部屋を出ていった。

箱に入ったままの体温計を見て、私はその箱を投げ捨てた。

風邪ってもうわかってるんだったら熱測る必要がないと思った。

それよりも寝ていたい。


「……A」


「うるさい」


オロチは投げ捨てた箱を拾い、私の枕元に置いた。

オロチは私の額に手を置いた。

ひんやりして気持ちいい。


「もう構わなくていいから早くどっか行って……」


それでもオロチはその場を離れはしなかった。


「熱測るからどっか行ってってば」


そう言うとオロチは素直に離れた。

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剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^_^) (2017年3月28日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 初めまして!この小説は、とても面白かったです(≧∇≦)これからも、応援します! (2017年3月28日 14時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ライラさん» ありがとうございます^ ^頑張ります!! (2016年3月28日 2時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - 面白いですね!!続きが楽しみです、頑張ってください(o^^o) (2016年3月27日 12時) (レス) id: 28c829f7f7 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます^ ^ (2016年2月1日 20時) (レス) id: cbfb8f7736 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年1月11日 11時

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