正反対のふたり。−岩田剛典−

Episode.01 ページ3

今日から新学期。







学校なんて大っきらいだ。









みんな兄のことが目当てで私に寄ってくる。









私は兄じゃない。双子だけど違う。









違うからなに？私は私。関係ない。









ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ







朝からうるさいこの学校。









結｢A！おはよー！｣





｢結衣！おはよ。｣





結｢あのさー、昨日さー、生｢すいません！Aさんですよね？これ岩田くんにお願いしてもいいですか？お願いします！｣……｣






｢んで？結衣、昨日どうしたの？｣






結｢昨日さ、あのテレビ見た？もう、お腹痛くて痛くてずっと笑っててさ(笑)｣






｢あー、みたみた！あれはね、やばかったよね(笑)｣






そんなたわいもない話をしていると教室につくわけで。






はあー、入りたくない。






結｢A？大丈夫？入れる？｣





｢っ、大丈夫、大丈夫！入ろ！｣





ｶﾞﾗｯ





さっきまで騒がしかった教室が一気に静かになった。





生｢なに、あいつまた来たの？｣





生｢勇気あるよね。馬鹿みたい。｣






そんな声がちらほら聞こえてきた。





茉莉花｢おはよう、Aさん。まあよくも学校に来れたわね。あとで体育館倉庫の裏でね。｣





そう、私はいじめの対象なのだ。








すべてはアイツのせい。








てか体育館倉庫の裏とかマンガじゃねーか。






茉莉花も頭大丈夫かな。














時間が経ち、始業式もホームルームも終わった頃。






女｢キャー、登坂くんと岩田くんよ♡｣






あー、うざい。黙ってろ、くそが。







結｢これまたすごいよね。ここまで高い声出せるとか。逆に尊敬だわ。｣







｢それは私も思うよ。馬鹿みたい、あんなやつに。｣






やばっ、時間！






｢結衣！保健室で待ってて！行ってくるから！｣






結｢気をつけてよ！｣







そんな声も虚しく、私はこれから地獄に行ってきます。

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