ゆるふわおにいさん【歌い手】【男主】

おにいさん、坂田くんと ページ45

｢Aさん〜ホテルここで合ってます？｣

『ん、合ってるよ〜、ごめんね坂田くん。
わざわざ荷物取りに来るのに付き合ってもらっちゃってさ』

ただいま俺は坂田くんとホテルへ
荷物のある部屋はだいぶ上の方だからフロントの人に説明して宿泊をキャンセルさせてもらってからエレベーターに乗る

『おーさすが大阪。夜景も明るい、ね……？』

エレベーターの夜景を見ていたら後ろから坂田くんの腕が回って
思わず言葉が詰まる。

『……坂田くん？具合悪い？』

｢んーん…そんな事あらへんです｣

赤い髪が背中にくっついてぐりぐりと動く
かわいいな……

ゆっくりとエレベーターは上がる。
上に上に

俺は後ろの坂田くんに少しもたれる

『大丈夫ならいいけど…』

｢……Aさん｣

『ん？』

｢Aさんはセンラが好きです？｣

ゆっくりと確かめるような口調だった
エレベーターは、まだつかない

『ん？好きだよ』

｢っ……｣

『……坂田くんが思ってるような好きじゃないかな』


｢じゃあ！｣

その言葉の続きを、言う内容を
分かってしまっていると教えたら彼はきっと泣き出してしまう。

俺はどうしようもないクズだ

『…でも……だめだよ』

｢！な、んで、｣


チン






『……着いたよ、いこっか』

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