依存系妻＊Ryusei.F 4.27完結

・ ページ42

…




信五『うっ、ふっ……ｸﾞｽｯ…あいつ…』





手紙を読むなり、みるみる顔が赤くなって目に大粒の涙が溜まっていった信五くん。






信五『あいつには、一生敵わんなぁ…』








そう言って含み笑いをした。








そして、2人は自分の目が真っ赤になってることを気にせず言葉を続ける







淳太『もうひとつの、この『君へ』ってなんやろ、』







信五『淳太開けてみぃや？』








紫耀『いや、こわいやん！どうすんのさ、恋人への手紙とかやったら』








淳太『そらないやろ。そんなん不倫や不倫。』








信五『あぁ、もうグチグチうるさいんや！俺が開けてもうてええか？』






短気な信五くんや。








淳太『俺、怖いからあけてや。』







信五『おんおん。…』








信五くんは真面目な面をして手紙を読み始めた。それを近くから覗き込むようにして見ている淳太くん。







2人は手紙を読み終えると、諦めたようにまた哀愁深く笑った。









淳太『紫耀。この手紙読んでみ。』





紫耀『えっ？なんか書いてあるん？』






信五『最期の土産やなぁー。紫耀への最期の贈り物






お前、幸せもんやなぁ。
ええ人間の側に、おれて幸せやなぁ？』






そう言う、信五くんの目は澄んでいた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す