依存系彼女＊Ryusei

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電車には乗れなかった。









なぜなら裸足だから








タクシーも拾えなかった









なぜならカバンを置いてきたから









歩く人、歩く人。








私を変な目で見てくる。
裸足で泣いていて、ふらついているから。








でも…涙は止まらない。









物を盗まれた時








涙は出なかった








父にしかられたとき









涙は出なかった









受験に落ちた時









涙は出なかった









…母が死んだ時









やっぱり涙は出なかった









私は涙を知らなかった。








知ってしまった今。





思うことはひとつ









『死んでしまいたい』









こんな人生…もういらない









…最後にと思い私はスマホを開いた。









『お兄ちゃん｡









今日、私は涙を知りました』









短い短い文章だった。









兄から返信が来た時はもう遅く私は裸足で橋へ向かっていた。









泣きながら歩いた。









どうしてって思った。









世界を知った。








裸足がゴツゴツと痛く感じた。








このまま死ぬなら…もっと人に愛されたかったな









産んでくれたお母さん、育ててくれたお父さん、








一緒に過ごしてくれたお兄、最後まで庇ってくれた淳太と望








そして…









…愛してくれた…流星。









涙が出た。









私は感じることが遅かったのかもしれない。









流星っ…

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