#12 ページ13
京本side
目の前で頭を下げてるアイツ
、、別におれは本気でコイツのことを売る気なんてなかった
そんなの事務所にとっていいことなんてないから
なのにコイツは、、、
自分はどうでもいいけど
健人は守りたいってか？
気に食わない、、、
コイツに彼氏がいるって聞いて誰かは教えてくれなかったが
なぜかむしゃくしゃして楽屋から出てきたら
アイツの声がしてはっきりと健人といった
あんな優しい顔見たことがなくて
不覚にもドキッとした、
、、、俺に笑ったことなんてないくせに、、
.
いや、1回だけ、あるな、
〜回想〜
俺とアイツが初めて出会ったのはアイツが東京ジュニアのレッスン場に来た時だった
"アイツのお父さん京本政樹らしいぞ！"
"えーなかよくなっとこーぜ笑"
はじめは京本政樹の息子だからと寄ってくる奴らがいっぱいいた
でも俺はそんな奴らと仲良くなろうなんて思わなくて相手にしなかった
そうするとすぐにいじめがはじまった
"親のコネのくせに偉そうに"
"親の七光りが調子乗ってんじゃねぇよ"
シューズがなくなったりするのは日常茶飯事で
俺に聞こえるように悪口を言われるのも慣れた
先輩に呼び出されて殴られたこともあった
仲の良かった奴らも自分も虐められるのがいやだと俺から離れていった
でも逃げたらそこで負けだ
誰も味方がいなくたって
俺は絶対ここで成功してみせる
そんな信念から気にしない振りをして必死に耐えた
「ほんまだっさいなー」
そんな声が響くまでは
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作者名：erina
| 作成日時：2024年2月29日 20時
