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愁side
──小さくノックを2回。
中でもしかしたら眠っているかもしれない海真に配慮して、僕は出来るだけ音をたてないように部屋の扉を開けた。
予想に反して海真は体を起こしていて、僕と目が合うとふにゃんと笑う。
「しゅう、」
海真のその低い声はいつもの何倍も甘くて、さっきすれ違った恵の言っていた通り相当熱がありそうだ。
…てゆーかまず、海真が柔らかく微笑んでる時点でだいぶヤバいんだろうけど。
「大丈夫？熱高そうだね」
大丈夫じゃないことなんて見たらわかるけど、一応聞いておく。
ベッドに腰かけて海真の髪を撫でていた湊が、困ったように眉を下げた。
「しんどくて寝れないんだって。眠いには眠いみたいだし実際さっき落ちたんだけど、すぐ起きちゃった」
「マジかぁ」
汗で張り付いた黒い髪に、今にも涙が零れそうなほどに潤んだ瞳。
息苦しいのか、短くて速いその呼吸は、聞いてるこっちまで苦しくなってくる。
｢とりあえず体横にしたら？しんどいんでしょ？｣
ベッドに座ったままの海真にそう声をかけると、彼はふるりと首を横に振った。
「…ねころぶと、息、くるしくなる」
その言葉に驚いて、思わず湊と顔を見合わせる。
湊もびっくりした顔をしていて、今初めて聞いたみたいだ。
「うーん、それはしんどいね…」
喘息の発作が起こるかもしれない、と思ったのは僕も湊も同じ。
念の為吸入器取ってくる、と僕に囁いた湊が部屋を出て行った。
入れ代わりに、ついさっきまで湊の座っていた位置に僕が腰をおろす。
「息苦しくなるのは寝転んだときだけ？今は大丈夫？」
「…ん…ちょっとくるしい、のかも…？…熱あるせいかもしんない、わかんない」
海真にしては珍しい、雑な返答。
そのまま短く息をついた彼は、座った状態のまま僕の方へもたれかかってきた。
「ゎあ、大丈夫？」
海真にこうやって甘えられたことなんて、ほとんどないんじゃないだろうか。
んん、と返事なのかよくわからない声をあげた海真は、グリグリ僕の肩へと頭を押し付けてくる。
「…あたま、いたい…」
「あー、マジかぁ。そうだよね、熱高いもんね」
遠慮も何もなく甘えてくる海真が珍しくって、思わず子どもに向けるようなあまーい声が出てしまった。
いつもの海真ならキレるだろうけど、今日は何も言ってこない。
その代わり、衝撃的なお願いを囁かれた。
「…なでてよ、あたま」
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暁☆(プロフ) - ayahanaさん» こちらこそいつも優しいコメントありがとうございます！ おかげでまだまだ続けられそうです (*´ `*) ぜひ今後ともよろしくお願い致します〜！ (2021年2月13日 9時) (
レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！まだ続けて下さるどころか頻度上がるかもということで凄く嬉しいです、次のお話も楽しみにしています！ (2021年2月13日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ayahanaさん» お待たせして申し訳ありません！こちらこそ読んでくださりありがとうございます〜<(_ _)> (2020年8月20日 7時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年6月15日 20時
