男子高校生の体調不良集 part2

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陵side


目を覚ましたかと思えば泣き出して、そのまま疲れたように眠りについて。

触れた背中は異様に熱くて、そんな愁に不安がつのる。

彼がしっかり眠ったことを確認して、俺は愁の部屋を出た。


さっきは体温も計れなかったし、次に目を覚ましたときには計りたい。

愁が起きてる間はきっと取りに行けないだろうから、行くなら今しかない。




共同リビングに行くと、ソファーに座っていた恵が俺を見て立ち上がった。


「陵！愁大丈夫！？」


不安げに揺れる瞳で聞いてくる恵に、俺は苦笑をこぼす。


ほら、こんなに愛されてんだよ、愁。

俺らがおまえを置いていなくなるなんて、あるわけねーじゃん。


「今は寝てる。心配しすぎでしょ」


「陵だって心配なくせに！」


間髪入れずに返された。しかも図星だから何も言えない。


「それより体温計どこ？」


話を強引に変えると恵は、乱雑に物が散らばったテーブルの上を指差した。

今にも落ちてしまいそうな位置に、体温計が乗っている。


俺はそれを掴むと、キッチンへ行った。

水は持っていった方が良いだろう。

キッチンの中に入ると、ちょうど水を飲んでいた湊に出くわす。


「何かあったの？」


俺の左手に持たれた体温計に気付いたのだろう。

湊が心配そうに眉を下げた。


「愁が熱出して」


「……あ、じゃあお粥作ってあげようよ」


にこ、と笑って提案してくる湊。

俺は全然料理とかやらないからわかんないけど、湊がいるなら大丈夫だろう。

薬も飲ませなきゃいけないし、と思ってうなずく。


湊が冷蔵庫を開けた。


「うん。材料はあるし、作れるよ」


早く作っちゃおうか。


そう言って笑った湊に、俺はもう一度頷く。




愁が起きてしまう前に作って戻らないと。





　

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