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湊side
校門を出て数分。
ゆっくりと歩みを進めていた蓮が、ふらりとしゃがみこんだ。
「え、蓮？どうした？大丈夫？」
ひろが焦って蓮の顔を覗きこむ。
「っ顔真っ青じゃん！吐きそ？」
おれもしゃがんで蓮の顔を見た。
その顔色は最悪で、胃の辺りをぐっと押さえながら、せり上がってきているだろう吐き気をこらえているよう。
おれは石谷先生から貰っていた袋を広げる。
「我慢してもきついだろうし、出しちゃおっか。ほら大丈夫だよ」
「…っ」
背中を優しく撫でてあげれば、簡単に決壊した。
「…っえ、ゲホッ…うぇ…っゴホッゲホッ、ゲホッ…ぅえ…っ」
えずくたびにびくりと跳ねる背中を、そうっと撫で続ける。
ひろは周りを気にかけながらも、不安げに蓮を見ていた。
しばらくして落ち着いてきた蓮が、顔を上げる。
「…びっくりした…急に来て…」
そう言ってへらりと笑う蓮。
おれは彼の瞳から流れていた涙を拭ってあげた。
生理的なものなのか、それとも怖かったのかはわからない。
でも蓮自身、泣いていたことに気付いてなかったらしく、驚いた表情になった。
「立てるか？」
ひろの言葉に、蓮が頷く。
その返事通り、多少ふらついたものの、ちゃんと立ち上がって安心。
「もう気持ち悪いとかはない？」
「う……ん、どうだろ…今はない、かなぁ…」
自分でもよくわかってないらしい。
でも左手で胃を擦っているところを見ると、胃はまだ痛いのかな。
「歩けるか？あとちょっとだから」
ひろの言葉に、蓮は頷く。
おれは、ほんのりと熱い蓮の体をそっと支えた。
蓮がふわ、と微笑む。
「湊は相変わらず優しいな。ありがとう」
「早く治してね」
蓮が元気じゃないと、寂しいもんね。
そうひろに言うと、彼はぜんっぜん！とそっぽを向いてしまった。
でもその後ちらりと蓮を見て、
「……まぁ、早く元気になれよ」
とか呟いているのが素直じゃないひろらしい。
蓮もそう思ったのか、笑顔になる。
「じゃあ帰ろっか」
寮に戻ったら、みんなが蓮のこと心配してると思うから。
おれたちは寮までの残りの道を、ゆっくり歩く蓮のペースで歩き始めた。
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匿名リリス - 暁✩さんへしつもんとリクエストです!! お腹弱めの子はいますか？いたら，その子が胃腸炎にかかって胃腸炎で脱水になるまでこじらせてしまう系は出来るでしょうか？すいません，胃腸炎系大好物で… (8月24日 21時) (
レス) id: e14be183ea (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - 晴さん» 作者も共倒れ系のお話大好物なんです！！なので二人が体調崩すのは書いていて楽しかったです！ 今あるリクエストが消化出来たら、また書いてみたいですね！ コメントありがとうございます！m(_ _)m (2019年8月9日 10時) (レス) id: b3d28df6ed (このIDを非表示/違反報告)
晴 - 海真くんが放置されちゃう感じ好きすぎます！その後、ちゃんと海真くんのそばにいてあげるのも最高です！2人体調崩してどっちかが、ちょっと我慢しなきゃいけない感じほんとに好きです。また、こんな感じのお話書いて欲しいな、、。海真くんが好きです。 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 32acc50bba (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - マコトさん» 温かい応援ありがとうございます！更新遅くなっていてすみません…！時間が空いたときにちょっとずつ更新していけるようにしますので、これからもお願いします！(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年6月16日 19時) (レス) id: 79c42c199e (このIDを非表示/違反報告)
マコト - この作品は個人的に好きだったのですが、最近更新停止気味になってしまい少し残念に思っていましたが、また再更新していただいてとても嬉しかったです。これからも応援しています。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年1月12日 18時
