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...








「大事なホームルーム寝てるってことはどんな係も受け付けますってことやんなあ、錦戸。」





近くまで来て持ってたバインダーでパシッと寝てる頭を叩くと、んん、と小さく唸りながら起き上がった。





「ほな今回は錦戸くんに頼もうかね。」





よし、男子は決まりや、と満足そうな顔する先生。






「....は?」





そして、竜宮城から帰ってきた浦島太郎状態の亮ちゃん。



...亮ちゃんってやっぱなんか呼び慣れないな。






「は!?え、ちょ、勝手に決めんなや!嫌やし!」


「寝るんが悪い。そういう奴がおると行事も締まらんやろ。」





んー、ごもっとも。






ありえへん、と項垂れる亮ちゃん。


やっぱなんか呼び慣れない。





「ほな女子はどうしよか。」




教卓に戻った塚地先生が言うと、



バッバッバッ



と風を切る音がして、女子の半分くらいが手を挙げた。





お、おう。錦戸効果半端ないな...。


ジャンケンとかめんどくさいことやらなくて済むから私的にはありがたいから良いんだけど。



と頭の中で今晩の夕食のことを考え始めたとき。





「コイツがやる。」




後ろから腕を掴まれ無理矢理手を挙げさせられたかと思いきや、


いや、


何勝手なこと言ってくれちゃってんのこの後ろの席の人は。





「え、やだよ!何言ってんの!」





振り返って言うと、は?って顔をされる。


その、は?って顔。ヤクザっぽいからやめて欲しんですけど。


は?って言いたいのはこっちだし。





「俺だけとか納得いかへん。」



いやいや、なにそれ。



「寝てたのが悪いんじゃん!巻き添えにしないでよ!」



「お前が起こさへんからやんけ。」



理不尽!!



「起こしたっつうの!」



ほらもう、また牧野つくし的言い方になっちゃう。






「夫婦漫才みたいでなんや面白そうやし、まあ、ええか。ほな、今回は錦戸と山田にしよか。」



「はい!?」





おかしくない?いや、おかしい!


面白そうだからって何!





「手え挙げてくれた女子達には悪いけど、次は秋の合唱祭やから。そん時にまた手え挙げてな。」




うわー....



先生気づいてないだろうけど、感じてよこの女子達の不穏なオーラ。




あー最悪だ。




何事もなかったような顔で頬杖ついて窓のほうみてるのを超睨んでみるけど、もちろんヤツは気づかないふり。



話せるようになったのが、吉か、凶か。





どっちかって言ったら、凶だわ。

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作者名:まりこ | 作成日時:2017年7月12日 14時

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