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...tadayoshi
ダンッ
ダンッダンッ
夜の公園にバスケットボールが弾む音が響く。
結局、食後に半ば強制的に横山くんに連れられてバスケットゴールのある夜の公園へ。
かれこれ30分以上マンツーマンでバスケしとる。
ダンッダンッダンッ
さすが社会人チームに入ってるだけあって、横山くんは上手かった。
バスケなんて体育でくらいしかやったことなかった俺は下手くそもええとこ。
乗り気やなかったけど、教えてもらって良かったかもしらん。
そんなこと思いながら、ボールをバウンドさせる横山くんにディフェンスする俺。
「あっ！」
「よっしゃ。」
気を抜いた瞬間に横山くんはスッと身を交わしてそのまま気持ちよくゴール。
「3勝5敗や〜。」
はー、と膝に手を当てて肩で息する。
ノンストップで30分動き続けたのなんてめっちゃ久しぶりやし、だいぶ息が上がった。
「けど結構上手いで、大倉。」
Tシャツの袖で額の汗をぬぐいながら、片手でボールを持つ横山くん。
「背え高いし、腕も長いから有利やと思うし。」
ちょっと休憩しよか、と横山くんはコートの脇にあるベンチに座った。
俺も隣に座ってふぅ、と息をつく。
汗をかいた肌に夜風があたって涼しい。
「大倉さ、好きな子できたやろ。」
隣に座る横山くんは俺の方をみてニヤリと笑った。
なんの前触れもなくそんなこと聞いてくんねんもん。
びっくりして一瞬頭が白くなった。
そんな俺の反応をわかってながら、横山くんは続ける。
「しかも、それってもしかしてAちゃん？」
図星か、とでも言うように楽しそうに笑う横山くんが憎たらしい。
ちゃう、って真顔で冷静に返せば良かったのに、こういう時に動揺してもうて全部顔に出てまう自分も憎たらしい。
「...なんで？」
ちょっと自暴自棄のような気分になって、ため息をついてうなだれた。
「見てればわかるわ。」
「え！ほんまに？」
「いうても、他のは鈍感やから絶対気づいてないから心配すなや。」
なら、ええけど。
見てたらわかるて。そんな俺わかりやすいん？
「ま、頑張ってええとこ見したり。練習なら付き合うたるから。」
ふっと笑う横山くんは、優しいのか、そうやないのか、ようわからへん。
応援してくれてんのか、冷やかされてるのか。
まあどっちでもええか。
バスケさえ上手なれば。
...
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作者名：まりこ | 作成日時：2017年7月12日 14時
