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...tadayoshi
「大倉ここ2日携帯ばっか見てへん？彼女でもできたん〜？」
夕食後にリビングのソファに座って携帯を見てたら、
隣で体育座りしてハリーポッター見とるヤスが携帯を覗き込もうとしてきた。
「あ、ちょ、見んといて！」
咄嗟に体をひねってヤスの方に携帯の背を向けようとしたけど、
「ん？バスケの試合？」
普通に見られてもうた。
「あれ、大倉バスケ好きやったっけ？」
「球技大会、バスケやから。予習してんねん。」
小首を傾げるヤスに、良い言い訳も思いつかへんくて口を尖らせてそう言った。
その予習の理由が、Aちゃんに見られるからって言うのは死んでも言わへんけど。
「へー！案外行事に熱いんやなぁ！」
俺そういう人好きやー、と平気な顔して男好きとか言うて違和感ないんは多分ヤスだけやと思う。
好きと言うてくれたヤスには悪いけど、俺は特別行事に熱いわけやない。
けど、好きな子に少しはええとこ見せたいやん。
亮ちゃんはなんもせえへんくてもサッカー上手いけど、俺はそういうわけちゃうし。
て、またや。
なんでか、ちょくちょく亮ちゃんと比較してしまう。
「あ、バスケやったらヨコチョに聞くのが早いんちゃう？バスケ詳しいし。」
ヤスはハリーポッターに再び視線を戻した。
ヨコチョ、て
ああ、横山くんな。
横山くんのこと、ヨコチョて余分はこの家でヤスと丸ちゃんだけで、
ヨコチョ、といきなり言われても一瞬誰か理解できへん。
「横山くんバスケやっとるん？初耳やねんけど。」
まあ白いから、屋外スポーツやっとるイメージはないけど。
「知らんかった？よう社会人のチームに混じって練習行っとるみたいやで。」
「へえ。」
「今俺の話してたやろ。」
「わあっ。」
俺がスマホの画面に視線を戻したと同時に噂の人の声がして、俺は肩をビクッとさせる。
「風呂終わったから、すばるかヒナ入れば？」
風呂から出てきた横山くんはタオルで髪の毛を拭きながら、俺の横に座った。
「なん？大倉バスケ上手なりたいん？」
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作者名：まりこ | 作成日時：2017年7月12日 14時
