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「今日、何決めたん?球技大会係。」
パスタをパサァ、とお鍋に落とす大倉くん。
パスタを茹でる姿さえかっこいい。感心するほど。
「えっとね、審判決めした!」
私は大倉くんの隣で刻んだキャベツをマヨネーズであえる。
コールスローを作っております。
「え、係って審判もやらなあかんの?」
「うん、そうなの。めんどくさいよね。」
「大変やね...。Aちゃん何の審判なったん?」
「男子のドッジボール。」
ドッジボールの審判ってずっとみてなきゃいけないし一番面倒くさいし嫌だったんだけど、
大方の女子にガンガン敵視された私は見事に押し付けられてしまったんです、ええ。
「そうなんやぁ。」
「あ、そういえば大倉くんのバスケって何時のやつ?観に行けたら行く!」
「確か午後一のやつやけど。
けど、俺あんまバスケ上手くないで。」
ピピピ、と冷蔵庫にくっつけてあるタイマーが鳴って、大倉くんはそれを止める。
上手い下手ではなく、バスケをしてる姿がかっこいいに決まってる。
目の保養ってやつ。
「バスケしてる大倉くん見てみたいし!
あ、そうだ!亮ちゃんのサッカーもいっしょに観に行かない?」
と勢いで言ったのは言いものの、
待てよ、私。
こんな気軽に誘ってみてるけど、もちろん下心なんて全くないけど、
こんなことしたら全校の女子に喧嘩売ってるようなもんよね!?
仲良くなるどころかもっと溝が深まってしまう!
そしてなにより大倉くんが困るよね!私ごときに誘われても!
「な、んて!クラス別だしクラスの友達と回るよね!
私もクラスの人と観に行こうかな!」
「一緒にいこ。」
「え?」
笑いながらごまかしてたら大倉くんが食い気味に言ってきて思わず聞き返してしまった。
「亮ちゃんのサッカー一緒に観に行こ。」
なぜかバカ真面目な顔をした大倉くんに、私も目を丸くして首を縦に振った。
大倉くんって優しいよなぁ。
人気者なのに私みたいなちんちくりんにも対等に接してくれるし。
それに、この間、泣いてくれた時心が綺麗な人なんだなぁってしみじみと思った。
こんなイケメンで性格もいいなんて、大倉くんのご両親に国民栄誉賞をあげたいよ。
どうしたらこんな子に育つのか本すら出版してほしいよ...。
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作者名:まりこ | 作成日時:2017年7月12日 14時