七夕の約束__2__N.Ren (ページ1)

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▽　　七夕の約束。50 　　 ▽ ページ1

*

　((廉side))

　8時ぴったりに
　Aに電話をかける

　…

　出えへん
　何してるんやろ

　何回かけても全く出ない
　何かあったんかな?

　少し不安になって

　廉おい

　廉何してんねん

　送ったけど
　一向に返信が来るどころか既読すら
　付かない

　廉「あいつ何してんねん…」

　いてもたってもいられず
　Aのおかんに電話をかける

　…

　母『もしもし〜』

　聞きなれた声に少し安心した

　廉「A何してるん?」

　母『A? バス停向ったけど…』

　バス停?

　それなら俺の電話に出ないのは何で?

　行く途中で何かあったんかな

　不審者とかに会ったとか?

　もしかして交通事故…

　母『Aがどうかしたん?』

　不思議そうに聞かれる

　そりゃいきなり俺から
　A何してるんなんて電話
　かかってきたら不思議やんな…

　廉「…電話出えへん」

　母『ほんまに…?何やってんねんあいつは…』

　呆れ返った声とため息が聞こえる

　廉「とりあえずもう1回電話かけてみるわ
　何かあったら教えて」

　わかったと言われて電話を切る

　もう一度Aに電話をかける

　…

　廉「何で出えへんねん…」

　あいつ何やってんねんほんまに

　こんなに心配やのに
　すぐにでも飛んで行きたいのに…

　深くため息をつくと
　Aのおかんから電話が
　かかってきた

　廉「…もしもし!!」

　母『あ、廉?

　あーなんかすばる君から連絡
　来たんやけど…』

　なんでおっちゃん?

　いや今はそんな事どうでもええ

　廉「何してるん?無事なん?」

　母『何かバス乗り過ごした若い男の人が
　おったみたいでAに
　バス出してくれ言われた言うてたわ…』

　廉「…は?」

　めっちゃ心配してたのに

　なんやねんそれ

　知らん男やろ?
　そんな奴の為に

　しかも俺との電話も忘れて

　男と?

　は?

　

　母『廉まで心配かけてごめんな…』

　ほんまバカ娘やからと
　更に呆れ返ってる

　廉「まあええわ…
　でも俺が電話かけた事言わんといて?」

　心配過ぎてAのおかんに
　電話したとか絶対知られたくない

　母『わかった〜
　なんも知らん振りしとくわ!』

　廉「よろしくな」

　そう言って電話を切った

　ほんまになんやねんあいつ

　廉もう知らん

　ほんまに知らん

*