ごめんね、お兄ちゃん【天馬咲希】

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「え、二人でお買い物に？」

「はい！ ……ダメですか……？」


お兄ちゃんがお手洗いに行ってる間に、アタシはAさんにショッピングをするお誘いの声をかけた。

彼女は少しだけ驚いたような顔をしたけれど、すぐに「ううん、大丈夫だよ」と優しく笑ってくれた。


「……ふふ、なんだか嬉しいなあ」

「……？ 何がですか？」


突然笑い出したなまえさんにたずねると、


「咲希ちゃんと少しずつ、仲良くなれているような気がして」

「……！」


優しい眼差しと言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。


「はい！ それじゃアタシ、楽しみにしてますね！」


満面の笑みで返すと、彼女はますます目元を和らげた。


「すまん、なんの話だ？」

「あ、お兄ちゃん！ もう、おそーい」

「ちょっと女子トークしてただけだよ。気にしないで」

「そ、そうなのか……？」


彼女の言葉に、お兄ちゃんは困惑気味に首を傾げた。


「それより、私二人のお話も聞きたい！ 司くんの昔のこととか、すごく気になるな」

「む、そうかそうか！ では、オレの輝かしいスター伝説の始まりから語り始めようではないか！」


彼女が無邪気にはしゃぐ姿につられて、お兄ちゃんも嬉しそうな顔になる。

もちろん、アタシも一緒になって盛り上がった。

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