登 坂 先 生 。２

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美紅side




「……っ….」






こんなの私じゃない。




今まで啓司さんがいきなり予定を
キャンセルする事なんて
数え切れないくらいあったのに。





私のちょっとした


嫉妬が全てを壊したのよ…






先生の家からの帰り道、





歩きながら思い返す。








私は子どもじゃない。


なんて、思い込んで背伸びして。




でもちょっとでも振り向いて欲しいなんて

わがままを行動に移して

その度に、啓司さんはため息つきながら

頭を撫でてくれた。









「はぁ………」








ほんと、バカだ。私。









？「ねぇ！」






後ろから誰かが呼ぶ声。



振り向けば



さっき見かけた、ような……







？「Aちゃんの親友ちゃんでしょ。」








近付いてくる男の人。







美「あの……」







？「ごめんね。いきなり声掛けて。
Aちゃんの家庭教師。笑」






近くで見ると


Aが言ってた通り


イケメンで





すごく、甘い声の持ち主だった。









隆「初めまして。今市隆二です。」




美「あ、どうも……」









隆「とりあえず、歩こっか。」









私の２歩先を歩く今市さんは

何も聞かずに


ただ前を向いて歩いてるだけだった。





それなのに







不思議と






安心している自分がいた____

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