登 坂 先 生 。

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▶登坂side




あいつ帰りやがった。





くっそ………




なんかもやもやする。








『登坂先生、後は宜しくお願いします』




「あ！はい！気をつけてくださいね。」








担任の清水先生。


すげぇ優しいおじぃちゃん先生なんだ。


いつも可愛がってくれて。






今日は講演会があるからって。




それで最後のHRは俺が担当する事になる。







おかげで



早帰り出来なくなったわけで。








「橋本ー。片岡いつ帰った？」






片岡といっつも一緒にいる橋本美紅。



こいつも問題児だけど


鋭いとこ突かれるから俺は正直、苦手だ。







美「３限目ー。いきなり帰った。」



俺と目を合わせず

化粧直しに取り掛かる橋本。


HRくらい俺の顔見て喋れっつーの(笑)







『てか、せんせー。Aの目撃情報
出てんだけどさー。やばい感じだよ。』






「ん？」








俺に携帯の画面見せつける女子生徒。







『クラブのお兄ちゃんに連れてかれたって。
これ、やばくない？』






片岡はこの辺ではカリスマ的な存在。





きっと他校の子達が撮ったに違いない。









「あー…特に連絡ねぇから
明日遅刻、欠席すんなよ。委員長、戸締り
よろしくな？」






俺は我慢出来なくなって、





教室を飛び出した。








あいつ……っ









心配で仕方なかった。









担当してる生徒だから、とかじゃない。









「片岡………！」









ほっとけねぇんだ、





片岡のこと。

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