幼 馴 染 み 。* T.hiroomi *

#２５ ページ26

登坂side



『……臣……っ』



『…好き………っ』





あいつが全く覚えてないのは知ってる。






でも俺はずっと忘れられない。








高2の花火大会。







今でも鮮明に覚えてる。



あの日、あいつが俺にくれた指輪も。





酔っ払ってるって分かった上で


俺はあいつを





抱いた事も。








『臣……ん……っ！』




浴衣姿のAの指を自分の指に絡ませ

めちゃくちゃなキスをした事が

始まりだったんだ。









初めてだって知って嬉しくなって



そしたら余計煽られちゃって




あいつを何度も抱いた。







『……お、み…っ//』






俺は忘れた事なんて無い。







「俺、どうしちまったんだよ……」





湯船に浸かりながら思い返す。






高校入ってから

Aはモテまくってたし

彼氏だって絶えなかった。




でも付き合うって俺に報告する度に

俺は"また別れんだろなぁ"とか

最低な事考えてたし、






本気で好きになる男は

まだいないって思い込んでた。









だから俺も適当に付き合って

その度、振られてきた。


振った彼女は皆こう言う。




"Aの方が大事なの"って。







俺はその答えを否定したことは一度もない。






分かってるけど……




あいつの気持ちが俺に無かったら

意味ねぇじゃん。





ってずっと言い聞かせてきたのに。







ここに来て焦り出す俺。








隆二に見せる顔、

いつの間にか連絡取り合っていた岩ちゃん、








それが、




高校時代の俺の感情に戻した。









大丈夫。



Aは他の男に本気にならないって。







言い聞かせなきゃ俺………







「どうしていいか分かんねぇよ……っ」

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