その心は ページ25
ラウール
悲しくて悔しくて、何度もLINEの文面を読み
返す。
名古屋公演中、Aちゃんとのトーク画面
を見なかった日はない。
…今日も音沙汰なし、か。
ラ「今日が一番観て欲しかった公演なのに…」
そう。今日は大千秋楽でもあり、俺の誕生日
でもある公演。
距離をおこうなんて言われちゃ、こっちから
連絡するのも気が引けるし、レポートが大変
だって言ってるからお勉強邪魔するのも申し
訳ない。
あ！でもでも！この前の演舞場みたいに内緒
で観に来てくれるとか…
ラ「ないよなぁ…」
変な期待はしない方がいい。
奈落で悶々としていると、開演の時間が迫っ
てきていた。今色んな意味で泣きそうだよ。
幕が上がりどか桜と共に始まった滝沢歌舞伎
ZERO2021の御園座大千秋楽。
とにかく悟られないように、いつも通りに。
まあそれを考えることすら一瞬で頭から消え
てなくなるんだけど。公演を心から楽しむこ
とが出来るのは、3年目にしてやっと出てきた
念願の余裕なのかもしれない。
ラ「ちょっと入ります…」
変面、いつもだったら袖から見てるんだけど
今日はしっかり"降ろして"おきたくて。
憑依…そう言われたらそうかも。
久しぶりの恋。
もう二度と出来ないと思っていた恋。
それなのに好きになってしまった。気持ちは
全く制御できずに止められない。
懐かしいこの感覚に酔いしれ、不安定なこの
気持ちを全ては恋のせいだと言い聞かせる。
佐「ラウ、何か今日…」
ラ「…最後、ちゃんと想い伝えなきゃ。」
佐「うん。そうだね。」
ラ「必然の奇跡だから、手放さないよ。」
佐「え、うん…？」
ラ「頑張ろうね！」
佐久間くんをぎゅっと抱きしめて、そろそろ
スタンバイだ。
佐「おー、どしたどした？よしよし。ステージ
でもハグすんじゃん。笑」
ラ「最後だもん。あとで楽屋でもしちゃう！」
佐「おー、嬉しー！笑」
Aちゃんがいてもいなくても、今日思い
浮かべる女の子はAちゃんだ。己の身体
で精一杯この恋を楽しもう。
ラ「…ふふっ。笑」
Maybeってこんなに楽しかったっけ。
つい笑みが溢れてしまう。そういえば楽しい
ことばかりだったなぁ。辛いことや苦しいこ
とは全部取っ払ってさ。そうだよ、凄い楽し
かった。
…なのになんで泣いてるんだ、俺。
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TWIN tower☆(プロフ) - sono さん» 嬉しい感想頂けて感謝です！ありがとうございます！ (2022年5月7日 17時) (
レス) @page28 id: 8dae0d076b (このIDを非表示/違反報告)
sono - マジ！おもしろかったです！！これから続編読みます🤍私はリアコではなく、自担には幸せになってほしい派なので、読後感．よかったです。またはじめから読みたくなる！！ (2022年5月7日 15時) (レス) @page34 id: 06f45bd802 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TWIN tower☆
| 作者ホームページ：http://twin-tower
作成日時：2021年4月14日 14時
