僕たちのなかに殺人鬼がいる (２)

Episode 48 ページ3

突然背後から聞こえた声に驚き、

僕は勢いよく振り返った。










赤『ん？どしたの？』





青『り、莉犬くん...』










次の瞬間、僕の目に映ったのは、

赤い耳を頭上で揺らす莉犬くんだった。





彼はきょとん、とした顔で

僕を見つめている。










あまりに心臓がうるさすぎて、

彼が起きてきたのに気がつかなかった。










赤『ころちゃん？

　 なんかあったの？』





青『あっ、そ、そうだった...っ』





莉犬くんに言われてはっと思い出し、

さっきのソファを指差して彼に言った。





青『ここにダイイングメッセージが...っ』



















...けれど。



















赤『ダイイイングメッセージ？』





青『あれ...？』










僕が指差す先、

さっきまで確かに血痕のあった場所は

普通にカーペットが敷いてあるだけ。





確かに見たはずの血痕が、

いつの間にか消えて無くなっていたのだ。










確かに書いてあったはずなのに...





「だまされるな」って...










ソファの下を覗いたりずらしたり、

必死になって血痕を探すけれど、

やっぱり何も見つけることが出来なかった。











赤『おーい、ころちゃん？

　 ダイイイングメッセージってなに？』










不思議そうに僕の顔を覗く莉犬くん。





血痕のこと、

ダイイイングメッセージのこと、

伝えた方がいいのかな...










青『...

　 ううん、やっぱなんでもない。』










少し悩んだけれど、でも結局僕は、

メンバーから変に疑われることを恐れて

何も言わないことにした。



















.



















＿＿＿＿この選択が間違いだと、気づかないまま。










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