願望と決意 ページ7
「着いた･･･ここが、今日から住む所」
『え、普通の･･････家･･･？』
「うん、どうせ俺１人になるし･･･
あそこに１人で残るのは辛いから買ってたんだよね」
『確かに･･･形見だらけだとさ、
どこ見ても思い出して辛くなるよね･･････』
「ほら、アルバム見るんでしょ？見よ」
『うん！』
そう言ってアルバムを開けば、
あのメンバーらしい個性的な写真もたくさんある。
「あ、これいつの間に撮って･･･」
『ん？あ！なつかしい･････････
みんな･･･すごい、張り切ってくれて･･･』
『これ･･･珍しく川西と白布のペアが･･･』
「あ、これ見て･･･衣装着て集合写真とったやつ」
『本当だ･･･ｯ･･･楽しそう･･･だね、』
全く止まらない。
涙が枯れる、なんて表現･･･嘘だよね。
泣き止みたくても、止まらないんだよ･･････。
みんな、家族以上に大切だったから･･･
ほとんどの時間は、彼らと居たのに･･･何で、
こんな一瞬で全部壊されたの･･･やだよ、何で？
何で･･･人外ってだけで、敵対視するの･･･優しいよ
誰か分かってよ･･････もう、止めてよ。
『国見･･････
本って、私も書けるのかな』
「･･･本？
まぁ、書けない事は無いけど･･･何で」
『日記みたいに書くの。
前の家の最悪さも、誘拐された日から、今日まで』
たくさんの人の目にとまり、
詳しく綴れるとしたら本だろう･･･。
それを読んでくれた中の誰か一人でも、
人外も優しいんだと知れば良い。
人外というだけで殺す理不尽さを知れば良い。
人外が人を殺したというならば、
それは人が人を殺す殺人犯と同じく、
そういう「単体」に責任があると気づけば良い。
･･･あわよくば、
"人間が人外を否定する常識"
これを･･･どうにか変えられないのだろうか。
文才なんて、ないかもしれない。
それでも･･････！
理不尽に決めつけられた常識を
"正しい"と思い込まないように･･･
どうにか、伝わってはくれないだろうか。
これからも一生、
生き続ける人外がすぐ側に居るのに･･･
誘拐した理由はまだわからないけど、
それでも･･･みんなの優しさに触れてたのに、
何もせずに国見を置いていきたくなんてない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
