1050年の時をこえて実った恋物語～終わり～ (ページ23)

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∽ 深ク刻まれた呪イ　紋狐青火　その四 ∽ ページ23

今日は、テスト明けの初めて部活動日である。

「こんにちチワワ！」

･･･。

反応なくて寂しいぞっ！部長さん泣いちゃうからなっ！

「なんだ、誰もいないのか･･･」

ボケて損した、と思いながら机の資料を整理する。

そう言えば、あの後の事は任せっぱなしだったな。

申し訳ない気持ちで、日誌に目を通す。

いつも私が日誌を記入しているため、こうやって他の人がやったのを見ると新鮮に思える。

「これは、円堂だな･･･。分かりやすいな」

『今日は、Aが休んで早三日。』

字から伝わる、寂しさ。

まったく、まだ三日しかたっていないじゃないか。

『今回は、町の結界の強化や劣化していないかの調査をしました。』

消しゴムで消した後がいっぱいだな。

風丸とかﾘｭｳｼﾞあたりが、こっぴどく指摘したんだろう。

そう思うと、自然と微笑んでいた。

『劣化はしていなかったものの、文化祭のようなことがあってはいけないので強化をしました。』

ちゃんと、部が運営できてたことにほっとした。

『俺は、もっと強くなりたい。明日皆に提案するつもりだ。自主練、やろうぜ！！』

円堂、それは提案ではないぞ。

と、ツッコんでしまった。

「これは、天馬か･･･」

『今日は、雨でした。でも、途中で止んだり降ったり大変でした。』

そう言えば、そんな天気があったような。

『A先輩のお見舞いに行こうと予定していたんですが、話し合ったところ明日に伸びました。』

天馬の子犬の様にしゅんとする姿が、目に浮かんだ。

まったく、可愛い奴め。

『円堂先輩の提案により、自主練を始める事にしました。』

絶対、それは提案じゃないぞ。

と、またツッコんでしまった。

『自主練内容決めで、今日は終わってしまいました。』

どんな内容だろうか。

心を、躍らせる私がいた。

『A先輩、明日はお見舞いに行きます！待っていてくださいね！』

ああ、だから、天馬はテンション高かったのか。

その日のお見舞いを思い出し、合致して納得した。