1050年の時をこえて実った恋物語～始まり～ (ページ34)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:9,044 hit

∽ 昔ノ香ニ　誘われテ　その五 ∽ ページ34

「懐かしいな」

そうだ、久々に行ってみようかな。

きっと、会えるだろうし･･･。

「えっと、こんなに入り口って小さかった?」

まあ、いいや。きっと、入れるから。

「でも、ギリギリか」

私は、葉っぱまみれになっていた。私は、土や葉っぱを払って真っすぐな一本道を歩いた。

昔と変わらず、緑が茂っていて、妖怪達がたくさんいた。

ここの妖怪は、性格的には穏やかだから、刺激しなければ大丈夫。

「ん? あれって･･････」

獣型の妖怪が奥の方にいた。

その妖怪は、私のほうを見ていて、目が合った瞬間どこかに駆けて行った。

「ま、待って･･･!」

実際、私はここまで深く山の奥に入ったことがない。

一本道はだんだん枝分かれの道が多くなっていった。

あの妖怪はきっと、あの時の妖怪だ。

確信は出来ないけど、乙女の勘ってものかあるいは、陰陽師の勘なのか。自信はあった。

「はあはあ、･･････ここ、どこ?」

完全に迷子だ。そうだ、転送術で･･････。

「無理だ･･･^p^」

物の転送は術でいいけど、人やたくさんのものを転送する時は転札が必要なんだ。

てか、何もかも全部家においてきたよ!!

「! 雨だ」