1050年の時をこえて実った恋物語～始まり～ (ページ30)

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∽ 昔ノ香ニ　誘われテ　その一 ∽ ページ30

休日、今まではたくさんの依頼があったが今日はない!

と、そういうことなので自分の部屋にいます。

いやー、自分の部屋にいると落ち着くなー。

「ありゃ、こんなところにお札が」

部屋の床に寝そべっていると、あちこちに札が落ちていた。

しかも、陰陽師関連の書物まで。あちらこちら山積みに。

「片付けますか」

テキパキと、順調。と、その時。少し古びた、麦藁帽子を見つけた。

「これって･･････」

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七歳の頃、よく一人で家の裏にある山で遊んでた。

ある日トコトコと歩いていると、茂みが音を立てた。

音のした方に行くと、足に怪我をした獣型の妖怪がいた。

茂み越しで私は見ていた。すると、その妖怪は私の居場所をぴったりと当て、睨みつけた。

「なんだ、おまえ」

「あ、あのね」

茂みから私は顔を出して、近づこうとした。

すると、妖怪はうーと低く唸った。

「わたし、あなたのけがをなおしたい」

「フン、そう言っておれを滅する気だろ!」

確かに、この山には妖怪はいるけれど、皆悪いわけじゃない。

「そんなことしないよ」

「うそだ」

「うそじゃないよ」

しばらく、その妖怪は私を睨みつけた。そして、不機嫌そうに言った。

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「じゃ、しょうこ見せろよ」